小品盆栽・豆盆栽の茜園芸 | |
む庵の植物うろうろ旅-3 | |
当園では扱っているけども、割合とみんなが扱わない種類を幾つか紹介しようと思います。 *ウスノキ(ツツジ科) 樹高30cm〜70cm位で低木、私自身もこれはいいと思い造り始めたのが17〜8年前頃からです。 育て始めて気が付いた事ですが、植物図鑑などにはだいたい姫ウス、ウスノキの2通りのものが載っていますが、細かく見てみると大きく分けて5〜6タイプになると思います。 実で言うと、丸実、細実、角実、大実、僅かですが這性と立性のものがあり、葉型では、小葉、丸葉、大葉のものがあるようです。 花が4月〜5月に掛けてつり鐘型の花が咲きます。 花も3タイプ位に分けられます。 樹にもいくつかの型がありますが、古い木は12〜13年で枯れて行きますが土の中から”ひこばえ”が沢山芽を出して古い木と交替して行くように思います。 ですから、古い木が枯れて行くのは自然なので大きくて太い木を造るのは無理だと思います。 ただ、出来るだけ古い木を造りたい時は”ひこばえ”が芽を出してきたらそれを切ってしまい、元の古い木を育て続けるようにすると良いと思います。 皆さんがウスノキは山採りで育てるのは難しいとよく言うのですが、一般の木に比べると根の出来が遅いように思います。 早くても4年位時間を掛けて、小根を元気に育てるとかなり丈夫なものになると思います。 ”がまん・・・がまん”です。 若緑に紅い実、秋の寒さによる紅葉が”抜群”なので、ぜひ一鉢は欲しいものです。 *アクシバ(ツツジ科) ウスノキと兄弟分ですが少々性格が違います。 花の時期が5月〜6月末頃に咲きます(ウスノキの1ヶ月遅れです)。 花の形も前者と違い花弁が後ろに反り返ります(カタクリの花を小さくしたような形です)。 花の出方も初め葉の付け根の所から細い2mm〜4mmの糸の様なものが出てきて、それが花の蕾に変化して行きます。 初めは、”なんだこりゃ〜”と思いますが10日位すると先がピンク色になり膨らみ始めます。 これがアクシバの花になるのです。 ウスノキの実は枝に直接実りますが、アクシバは花や実が4mm位ぶらさがるように付きます。 多くの方々がウスノキ、アクシバは見分けが付き難いと言われます。 おおむねですが、ウスノキの枝葉丸棒状で、アクシバは板状の枝になっていると思います。 ただ、時々ですが私にも”あれ、どっちだろう”と思えるような中間種みたいなものが数本ありますが、葉の様子が違うようです。 花が咲いてみなければ分らんと言う人もおります。 でも、実が成って紅くぶら下がる姿はなんとも可愛いものです。 *ニワウメ(バラ科) 25年位前から庭に植わっていましたが、古い本ですが”挿し木の活着が難しい”と書いてありましたので挿しませんでした。 今から15年位前に、あまりにボウボウになりましたので枝の整理でボツボツと切り飛ばしました。 なんの気なしにそばにあった箱にブツブツと挿してみました。 べつに発根することを願ったわけではありません。 ところが、2ヶ月位経った頃なんとはなしに引っ張ってみると・・・動きません。 あれ、発根してるのかなと思い掘ってみると9割近くが発根してました。”ありゃ〜〜”です。 嬉しくもありましたが、挿し木をしても木の太りが悪いのです。 それではと、豆盆栽で造ってみようかと細い木を鉢に入れて2年ほどで元気が出てくると、その年伸びた枝にちらほらと蕾が付きました。 十数鉢の内3〜4鉢に実が成りました。 木の太りは悪いが花付きは良いと思います。 古びた盆栽にするには時間が掛かりますが、花がぽつぽつと咲き始めるとなんとなく微笑みが浮かぶ一品です。 *ヤブサンザシ(ユキノシタ科) 雌雄異株です。 種を蒔くと沢山出来ますが7割が雄です。 種を蒔かなくとも、挿し木は9割が付きますので増やす事をおすすめします。 非常に丈夫で変り者です。 普通の落葉樹は、秋に葉を落とし春に芽吹くものですが、秋に落葉した後1ヶ月もしない内にもう来年度の芽が出てきます(これから寒いのにね〜)。 でも、寒さに負けません! 早春の3月頃には葉の根元からひょこひょこと蕾がのぞき始めます。 雄木を同じような場所で栽培するのが良いと思いますが、なぜか雄花の方が早いように思います。 花の蕾が見えてきたら雄花の場所を変えて雌花に合わせるのも良いと思います。 花が見えてきたら肥料をやってはいけません。 花が咲いて実がとまって3mm位になるまでは水を切らさない事です。 早く大きな実にしようと肥料を早めにやると実が落ちてしまう事が多いように思います。 この木は肥料が嫌いなわけではありません。 私の挑戦では、樹高40mmの木に3ヶ位実を付けた事があります。 豆盆栽、小品盆栽には面白い木です。 *ヤシャビシャク(ユキノシタ科) 自然界には2通りのヤシャがあるようです。 つたヤシャ、木ヤシャ。 つたヤシャは、他の木にからまって伸びて行くようです。 木ヤシャは、つるにはなりません。 私達が盆栽にするのは木ヤシャの方です。 発芽も良く成長も早いので実生をおすすめします。 3年生で花も咲き実も成ります。 4〜5年も造るとかなり古木に見えて様になります。 実はキウィフルーツのような毛の生えた緑色の大豆ほどの実です。 実はずっと緑色ですが、秋の終わりに黒くなっておわります。 これが紅や黄色に熟するといいのになぁ〜〜なんて・・・いや、いけません! これは緑色の実なんです! *クマヤナギ(クロウメモドキ科) 少々変りものです。 木は非常に固く樹型を造りにくいのですが、古くなると小さな木でも花がきます。 長く伸びた枝先に花が付くのでなかなか形の良い木を造りにくいと思います。 私の知り合いの盆栽屋でも花は咲くんだが実が一つも成らないというので、5〜6本ある木を見せてもらいました。 秋口でしたが「これ咲いたの?」 「いやぁ、けっこう沢山咲いたよ」 「これ、枝詰めたのかい? だって、伸びた枝に花が来るだろう」 「 たいした花じゃないのにカスが汚らしくて・・・」 「あのな、切っちゃダメなんだよ!」 「 この木はねぇ、実になるのに2年越しなんだよ」 「次の年、あのくしゃくしゃしのきたないカスのような中から実が出てくるんだよ」 実は紅く熟すると今度は黒くなります。 その実を楽しんだ後に切り詰めると良いと思います。 出来れば2鉢ほど育てて一年置きに実を楽しむと良いと思います。 木の幹が真っ黒なのでクマヤナギというようです。 でも、あのくしゃくしゃの花の枝は切りたくなっちゃうんだよなぁ・・・切っちゃダメーーッ!! 植え付け 実生で造るとほとんどがごぼう根です。 根を痛めないようにとぐるぐると巻いて鉢に入れます。 これ、ダメッ!!です。 と言うのは、 植物の根は先の方から栄養を取ろうとするのでかなり労力を使います。 そこで、地際から3cm位で切り落とします。 挿し木をするつもりで1年〜2年造ると、その地際に細い小根が出来ます。 そうすれば、小鉢にも植えられる木が出来ます。 このごぼう根の代表ともいえるのがナラの木の仲間です(皆さんが知っているドングリです)。 基本的に、小根をいっぱい作る事が元気な木を造る事に繋がると思います。 春の芽吹きは木の中では遅いのがナラの木です。 私の扱っている樹は他に30数種ありますが、次の時にお話しましょう。 盆栽を飾る時には脇に下草を置きます。 盆栽の引き立て役としてはとても重要だと思います。 これは大切な女房役です。 茜園では色々な草も造っていますが、豆盆栽・小品盆栽には小型の草類が良いと思います。 例えば、屋久島マイヅル草、姫弟切草、姫月見草、岩雪の下、姫雪の下、姫ギボーシ、那智小葉大文字草、等々。 女房役である彼女たちと仲良く元気に過ごして行きましょう。 =かあちゃん達も、頑張れよ!!= 時々ごねて手を焼くけど、まぁ仲良くやって行こうじゃないか・・・。 |
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