小品盆栽・豆盆栽の茜園芸
 
む庵の植物うろうろ旅-1
 豆盆栽、小品盆栽、野草 「盆栽って 何だ」 茜 む庵
 植物の栽培を始めて50年近くになるが、種蒔きや挿し芽などから自分で育ててきて色々想う事を書き留めておこうと思います。

  まず、盆栽は老人の趣味というのは間違いだと思います。

 スマホやテレビに操られている現代を、私は非常に残念な状況だと思っています。
 ものを言わない植物達を子供の頃からながめ・育む事が特に大切だと思います。
 私がまだ東京にいた頃(45年位前)、私のお客さんで一番若いのが小学校4年の男の子でした。
 母親の話では、彼は小遣いをお菓子や飲み物を買わずに溜めては植物を買いに来ていました。
 二年も経つと、盆栽の裏表だの枝くばりが悪いだのと一丁前の事を言うようになりました。
 彼が今も盆栽をやっていたとしたら40代後半・・・きっと良い木を育てている事でしょう。

 盆栽や植物には終わりがないのです。

 私には“書”の師が居りある地方での盆栽会の会長もしておられました。
 盆栽が大好きな師の口癖が「俺は今年もこんなに面倒をみたんだから結果を見るまでは簡単に死んでられん!!)、90才後半没でした。
 少年から老人まで誰にでも出来る、口をきかない植物達への楽しみや優しさを育てる・・・とても大切な事だと思います。
 枯れたら消耗品のようにすぐ捨てる・・・それでは発展がありません。
 生き物ですから枯れる事もあります。
 “お終い”ではなく捨てる前に“なんで枯れるんだろう”と一呼吸間をおく事です。
 “水が足りなかったのか”“直日にあてすぎたのか”・・・等々色々あります。そこで一段と上達するのではないでしょうか?
 自慢ではありませんが、私自身この50年近くの間に、何百何千と枯らしてると思います。

 私の時代には盆栽を教えてくれる人はあまりいませんでした。

 私事になりますが、盆栽の師だと思っていた老人(盆栽師)さんがおりました。
 週に2・3回、一年間押し掛けで通いました。
 その間、一度も口をきいてもらえませんでした。
 一日3〜4時間ずっと見ていました。
 なぜあの枝を切るのだろう、なぜあんなに根を切り込むのだろう?
 色々・・・なぜ、どうしてばかりでした。
 現代では本も沢山出版されていますので、以前に比べれば知識を取り入れるチャンスはおおいに増えた事と思います。

 自分のやり方が正しくて、他人のやり方は誤りだというような表現は正しいとはいえません。

 それは、栽培場所やその地方の温度や環境でさまざまに違うからです。
 私も“こうやった方が良いのではないか?”という言い方しか出来ません。

 基本的に一番大切なのは“水やり”だと思います。

 園芸店や盆栽店で水をやり過ぎると根腐れするよとよく言いますが、その言い方は少し違うのではないでしょうか。
 問題は“土”だと思います。
 植替えをして水やりをすると、十日もしない内に目詰まりをして水の通りが悪くなるような土を選ばないという事です。
 私が使う土は3年経っても粒々がなくなりません。
 冬には凍っても大丈夫な土を使います。

 よく何日に一回水をやるのですか?と質問される方がおられますが、そのような算数的な事ではなく、毎日よく見る事です。
 乾いてきたらたっぷり水をやります。
 私はTVの番組で時々言うのですが“凍っても死ぬ事はありません”。
 それよりも、空気は特に乾きやすく冬の風は枝の水分を取って行きます。
 室内に置きたい方が多くおられますが室内の空気は特に乾燥していますので、霧吹きを傍に置く事をおすすめします。

 鉢への水やりはご飯、幹に霧を掛けるのはおかず、だと良く言っています。

 鉢への水やりと霧吹きは別です。
 土が濡れていても木の幹には何度かけてあげても大丈夫。
 植物達はうれしそうにしています。
 水は底を抜けるぐらいたっぷりとやります。
 面倒くさいからと器に水を溜めてつけておく方がおりますが、あれはいけません。
 鉢底が塞がると空気の流通が出来なくなります。
 水をたっぷりやった上で水がこぼれなくなってから、皿等の上に置いて飾るのがよいと思います。

 植物達を枯らさない一番肝心な事は土を選ぶ事。
 水を切らさない事。
 毎日よく見る事。
 これが出来れば植物ってかなり丈夫なものです。
 そして、次の季節には必ず良い結果につながるものです。

 “えッ”毎日見てやるの? っていう人がいます。
  私がテレビに出演した時に、私もエエッっといいました。
 「君達、猫や犬を飼った事ないの?多くの出席者の6割の人が手をあげました」。
 「君達はその犬や猫に一日一回か二回は餌をやらないのかい? 盆栽だって生き物なんだよ」。
 けどな・・・、ただ口をきかないだけで生きてるんだぞ!!

 私の知り合いに古い盆栽屋さんがおりますが、そこの若い人に言うんです。

 百年弐百年と経つ盆栽を維持して行くのは大変な事だと思います。
 その技術を極める事は大変です。
 でも、何百年の盆栽にも必ず1年目があるのです。
 植物の1年・2年生を馬鹿にしてはいけません。
 それが次の時代に繋がって行くのです。
 これを忘れてはいけないと思います。

 お金を多く出して買い求めるのも良いでしょうが、植物を育てる心も失わないでください。

 植物って奥が深いんです。
 だから、面白いし楽しいんです。
 永いこと植物と触れ合っていても“エー、どうしてそんなことあるの〜”の毎日です。
 それが自分での生きるという事ですね!!
 生あるもの万歳

 *次からは、当方にある植物についてのお話です。
 
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